ADHD(注意欠如・多動症)について
ADHD(注意欠如・多動症)とは
ADHD(注意欠如・多動症)は、「不注意」「多動性」「衝動性」といった3つの主な特性があり、発達障害の概念の一つです。
ADHDを持つ子どもの脳では、ドーパミンという神経伝達物質が不足してしまい、前頭葉や線条体と呼ばれる部位の機能障害が想定されています。注意力がなく何度言っても落ち着きがない、衝動的な行動をとるなど日常的に行われ、12歳になる前から半年以上継続してこれらの行動が幼稚園、学校や家庭など複数から見られた場合に診断されます。
ADHD(注意欠如・多動症)の症状・特徴
- じっとしていられない
- 授業中でも立ち歩いてしまう
- 座っていてもそわそわしてあたりを見ている
- 静かにできない、おしゃべりが過ぎる
- 姿勢が悪い
- 忘れ物が多い
- 体操服、筆箱、教科書などをどこかに忘れてくる
- いろいろな物を何度もなくしてしまう
- 細かいミスが多い
- 周りの音などに簡単に反応し、目の前のことに集中できない
- 約束を忘れてしまう
- いつもぼーとしている
- 思ったことをしゃべり続ける
- あてられていないのに勝手に答えてしまう
- 物事を途中でやめて、やり遂げることができない
- 計画を立てることができない
- 空想にふけっている
- すぐにやるといってもできない、気が散ってしまう
- 順番を抜かして横入りをしてしまう
ADHD(注意欠如・多動症)の発達支援と活動
ADHD(注意欠如・多動症)は、「不注意」「多動性」「衝動性」といった3つの主な特性があることは先に述べましたが、その表れ方にも大きく3つのタイプがあります。
1つ目は「不注意」の特徴が強く表れ、「多動・衝動」の特徴があまり強くないタイプ。2つ目は「多動性・衝動性」の特徴が強く表れ、「不注意」の特徴があまり強くないタイプ。3つ目は両方の特徴をもっているタイプです。
本事業所では2つ目のタイプの児童が多く来られています。動いていないと落ち着けなく、感情や欲求のコントロールが苦手なため、レクリエーション中や遊んでいる中で友達とトラブルになることが多いです。自閉スペクトラム症の部分でも述べましたが、本事業所ではベースとしてまずは子ども同士をつなげていく支援を中心に行っています。ADHDの特徴を持つ児童は、周りの児童に「怖い」「わがまま」「先生の話をきかない」などマイナスイメージを持たれてしまう可能性が非常に高いです。そのため、支援者はより一層ADHDの児童の良いところをほかの児童に伝えることを大切にしています。それによって、子どもたち同士で関係性が出来上がることによって、ADHDの児童は自分の行動に対して目を向けることできます。ADHDの児童と支援者で、困りごとがあるごとに一緒に解決策を模索していきます。そして、その児童にあった解決策を見つけながら、コミュニケーションスキルを身につけていってもらいます。
1つ目のタイプの児童に対しては、予定の見通しをもたせることが大切です。本事業所では来所されてから帰るまでの予定をホワイトボードで示しています。また、ホワイトボードを見る習慣だけではなかなか気づけない場合は個別に「おめめどう」のグッズを使い、目と声で伝えています。
ADHDの特徴もいろいろあり、児童によって特徴の強弱があります。その児童との関わりや観察を通して、その児童の特徴に合わせた支援を大切にしています。